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「磐梯養蜂場」インタビュー

目と鼻の先に磐梯山を臨み、多くのペンションが立ち並ぶことで避暑地、別荘地としても知られる磐梯町(ばんだいまち)。

今回は、この町で代々養蜂を営む、「磐梯養蜂場」の鈴木さんにお話を伺いました。

─── 本日はよろしくお願いします。
結構年季の入った巣箱が外に積んでありますが、いつから養蜂をされていらっしゃるのでしょうか?

本格的に専業で始めたのは昭和46年からになります。兼業で代々受け継がれてきたのですが、祖父の代で専業になりまして、私で現在3代目です。
巣箱は、昔から使っているものもありますけど、だいたいは20年に1回くらいのペースで交換してしまいますね。熊に襲われて壊れてしまうこともあるので。

─── 熊!それは怖いですね。

ええ、毎年出てきます。春先の早くから秋の遅い時期まで、冬眠の時期以外は年中構わず襲ってきますね。
ただ基本的に臆病ですし肉食でもないので、人間が来たら逃げてしまいます。私も対面したことがありますが、自然に逃げていきました。
今は巣箱がある場所に、電気を流した柵を張り巡らせています。そうしないと全部熊に荒らされてしまうので・・・。

さらに、8月終わりくらいからはスズメバチが出てきます。だから毎日見回って、守ってやらないといけないんです。
ただ最近は、生け捕りにしたスズメバチを粘着シートにくっつけておくと、他のスズメバチも引き寄せられて芋づる式に捕獲できる・・・という手法が出てきたので幾分か楽ですね。
もっとも、スズメバチを蜂蜜漬けにしたものを欲しがる方も結構いますので、自分で網を持って捕獲することもよくあります。刺された回数も10回ではきかないくらいですが(笑)

─── それはハードですね(笑)
ところで、養蜂ってなかなか一般の方には馴染みが薄いと思うのですが、1年を通じての作業の流れを教えていただけないでしょうか?

11月から4月初めまでの期間は、蜂たちは越冬のために千葉県に置いているんです。そして4月に入ると、梨やりんご、さくらんぼや桃の花粉交配を頼まれているところがあるので、そこで交配をしながら北上していきます。
それが終わるのが5月の半ばくらいなので、その後は蜂を山奥に持っていって、蜂蜜採りの準備をします。実際に蜂蜜を採るのは5月末から6月末の約1ヶ月。それが終われば、秋までは管理の期間になります。

交配のための昆虫がいない冬の時期はハウス栽培のイチゴ農家に蜂を貸し出したりもしているんですが、空気の循環のないハウスだと蜂が弱ってしまうので、生き残って帰ってくるのはごく少数なんです。そうやって減ってしまった蜂を、6月末~秋の管理期間に増やしているというわけです。

具体的に話すと、1つの巣には必ず1匹だけ女王蜂がいるんですが、その巣を分割して女王蜂のいないものを別の箱に移してやると、新たに女王蜂が1匹育てられるんです。それから交尾が始まってどんどん蜂が増えて、巣も大きくなっていく。そうやって自然に任せながら蜂を増やしています。
最近では人工授精の技術ができて、それを使えば女王蜂を何匹も産み出せるんですが、熟練した方が顕微鏡を見ながらでないとうまくいかないんです。ある意味これは職人技ですよ。